『ブラッククローバー』のネロはセクレ・スワロテイル、リチタはアスタの母で、直接の関係はないものの五つ葉の魔導書を通してアスタとリーベの運命につながる重要人物です。
結論を先に整理すると、ネロは500年前に五つ葉の魔導書が生まれた悲劇を知る人物、リチタは後にリーベをその五つ葉へ封じた人物、そしてアスタはリーベの反魔法が宿った五つ葉を手にした人物なんだよね!
ブラッククローバーのネロとリチタはどうつながる?
ネロとリチタに直接的な血縁・師弟・友人関係は描かれていません。2人をつないでいる最大のポイントは、リヒトからリーベ、そしてアスタへ受け継がれた五つ葉の魔導書です。
まず、ここを時系列で整理しておきましょう。
時代・人物 五つ葉の魔導書との関係 物語で果たした役割
リヒト 絶望をきっかけに四つ葉の魔導書が五つ葉へ変化 500年前の因縁の出発点
セクレ(ネロ) 五つ葉が生まれる悲劇を目撃した時代の人物 500年前の真相を現代へつなぐ
リチタ 後に五つ葉の魔導書を拾う リーベを魔導書へ入れて守る
リーベ 五つ葉の魔導書の中で長い時間を過ごす 反魔法を生み出す
アスタ 五つ葉の魔導書を授かる リーベと対等な関係を築き反魔法を使う
つまり「ネロからリチタへ直接何かが受け継がれた」という話ではありません。
500年前の悲劇から生まれた五つ葉の魔導書に、別の時代でリチタとリーベの物語が重なり、最終的にアスタへ到達したというつながりなんです。
ここを最初に押さえておくと、ネロ編とリチタ編が別々の過去話ではなく、一冊の魔導書を中心にした長い因縁として見えてくるよね!
個人的には、『ブラッククローバー』の設定の巧さが最もよく表れている部分の一つだと思います。
第1話からアスタが持っていたボロボロの五つ葉には、アスタが生まれる何百年も前から積み重なった絶望、救済、別れ、そして新しい家族の歴史まで詰まっていたわけです。
ブラッククローバーのネロとは?正体はセクレ・スワロテイル
ブラッククローバーのネロの正体は、約500年前にルミエル・シルヴァミリオン・クローバーに仕えていた魔道士セクレ・スワロテイルです。
ネロの正体と500年前の真相は、原作21巻に収録されている第203話「今 封を切る時」、第204話「終焉の望み」、第205話「500年の真実」へ進む中で明らかになります。
21巻には第195話から第205話までが収録されています。
ここで注意したいのが、「203」「204」「205」は単行本のページ番号ではなく原作の話数だということ。
ネロの過去を読み返す場合は「21巻の第203話〜第205話付近」と覚えておくと迷いにくいですね。
物語序盤のネロは、アスタの頭に乗ったり、つついたりする黒いアンチドリとして登場します。
見た目だけなら、ちょっと生意気なマスコットキャラ。
ところが魔石に強く反応し、アスタを魔剣が眠る場所へ導くなど、かなり早い段階から「普通の鳥ではない」行動を繰り返していました。
その正体がセクレです。
セクレは王族であるルミエルの従者として仕える一方、ルミエルが研究していた魔導具の開発にも協力していました。
ルミエルは身分や生まれによる壁を越え、人間とエルフが共存できる未来を考えていた人物です。
そしてセクレは、そんな彼の理想をすぐそばで見ていました。
セクレの魔法属性は封緘魔法。
物や魔法などを「閉じる」「開く」性質を持ちます。
派手に敵を吹き飛ばす攻撃魔法ではありませんが、この能力があるからこそ、500年前の出来事が現代の戦いへ接続されました。
僕がネロの能力で特に面白いと感じるのは、キャラクターの役割そのものと魔法の性質が重なっていることです。
セクレは500年間、閉ざされていた真実を抱えて生き続けました。
そして現代になって、封じられていたルミエルやリヒトの力を「開く」側に回ります。
ただ便利な特殊魔法というだけではなく、彼女自身が「過去に封じられた物語を開く鍵」になっているんだよね!
ネロはなぜ鳥になった?500年前に何が起きた?
ネロことセクレが鳥のような姿になったのは、500年前の事件で魔石を使った禁術に触れ、その代償を受けたためです。
この500年前の悲劇にはルミエル、リヒト、セクレ、そして悪魔ザグレドが深く関係しています。
当時、クローバー王国の王子ルミエルは、エルフ族の長リヒトと出会いました。
2人は人間とエルフという種族の違いを越えて友情を築き、ルミエルの妹テティアとリヒトも結ばれます。
しかし、その未来を壊したのがザグレドの策略でした。
人間とエルフの対立を利用し、エルフ族が大量に命を奪われる惨劇へと状況を導きます。
絶望に追い込まれたリヒトの四つ葉の魔導書は五つ葉へと変化。
さらにリヒトは、自分の身体を悪魔に利用されないため禁術によって巨大な魔神となります。
ルミエルは親友を止めるため、その魔神と戦わなければなりませんでした。
この事件の終盤でセクレが果たした役割が非常に重要です。
セクレは魔石と封緘魔法を使ってザグレドを封じ、さらに致命的な状態となったルミエルを未来へ残すため、その身体を封じました。
しかし禁術の影響は大きく、セクレ自身も人間の姿のままではいられなくなります。
その結果が、後に「ネロ」と呼ばれる黒い鳥の姿でした。
そして彼女は、約500年という途方もない年月を生きることになります。

アニメでは第118話「時空を超えた再会」で、人間の姿へ戻ったセクレがルミエルとともに現代のアスタたちの前へ現れます。
ここでセクレは、自身の封緘魔法によってリヒトにかかっていた封印を解き、本来の力を取り戻させています。
つまり、セクレがリヒトへ新しい能力を与えたわけではありません。
すでに持っていた本来の力を、封緘魔法の「開く」力で解放したと整理するのが正確です。
さらにアニメ第123話「ネロ、追懐そして…前編」と第124話「ネロ、追懐そして…後編」では、セクレがルミエルと出会った時代から、鳥として長い年月を過ごしてアスタへたどり着く流れが改めて描かれています。
ここで一つ、混同しやすい点があります。
ネロがリヒトの五つ葉の魔導書を500年間ずっと自分で保管していた、と断定できる描写ではありません。
鳥となったセクレは長い年月を生き、やがて悪魔の力が宿ったリヒトの魔導書を扱えるアスタと出会います。
「ネロ=五つ葉の魔導書の500年間の管理人」と単純化するのではなく、五つ葉誕生の真相を知ったまま現代まで生き残った証人と見るほうが、キャラクターの立ち位置を正確につかめます。
正体を知ったあとで序盤へ戻ると、本当に景色が変わるんだよね!
アスタの頭に当たり前のように乗っていた一羽の鳥が、実はアスタたちより500年も前から始まった悪魔との戦いを知っていた。
ネロが魔石を追い続けていた行動も、「なぜこの鳥だけこんなに事情を分かっているんだ?」という違和感から、一気に長期伏線へ変わります。
ブラッククローバーのリチタとは?アスタの母でリーベを家族にした女性
リチタはアスタの実の母であり、現世へ迷い込んだリーベを息子として迎え入れた女性です。
リチタとリーベの過去は、原作27巻に収録されている第268話「悪魔」で集中的に描かれています。
27巻の収録範囲は第262話から第272話まで。
特にアスタとリーベの関係を理解するうえでは、第267話「従魔の儀」、第268話「悪魔」、第269話「魔法が使えないヤツ」、第270話「二人」という流れが重要です。
リチタは明るく人懐っこい人物ですが、普通の人と一緒に生活するのが難しい体質を抱えていました。
彼女は近くにいるものから魔力と生命力を奪ってしまう特異体質を持っていたからです。
そのため、人里から離れた場所で一人暮らしをしていました。
一方のリーベは、悪魔でありながら生まれつき魔力を持っていませんでした。
魔力による格差が激しい冥府では、魔力のないリーベは最下層の存在として扱われ、ほかの悪魔たちから虐げられます。
やがて上位の悪魔によって冥府の門へ投げつけられた際、魔力を持たないリーベは門をすり抜ける形で現世へ出ました。
しかし、人間の世界へ来ても彼は「悪魔」というだけで恐れられます。
傷つき、倒れていたリーベを見つけて介抱したのがリチタでした。
ここで、以前の記事では注意が必要だったポイントがあります。
「リーベには魔力がないから、リチタの体質が効かなかった」とだけ説明してしまうと不十分です。
なぜなら、リチタが奪ってしまうのは魔力だけではなく生命力も含むからです。
作中で重要なのは、リチタがリーベと接してみた結果、リーベが彼女の特異体質の影響を受けないことが分かったという点。
その事実を知ったリチタは、彼との出会いを運命のように受け止め、自分の子どもとして迎え入れます。
「魔力がないから大丈夫」と単純化するのではなく、魔力を持たない悪魔であるリーベが、実際にリチタの魔力・生命力を奪う体質の影響を受けなかったと整理するのが正確なんです。
リチタは彼に「リーベ」という名前を与えました。
リーベにとって、悪魔だからと拒絶せず自分自身を見てくれたリチタは、初めて得た母親でした。
そしてリチタにとってもリーベは、孤独だった生活の中で一緒に暮らすことができる大切な家族になっていきます。
この2人の関係を知ってからアスタとリーベを見ると、めちゃくちゃ味わいが変わるんだよね!
リチタの実の息子であるアスタと、リチタが息子として迎えたリーベ。
血はつながっていない2人が、後に「人間と悪魔」という壁まで越えて相棒になる。
これは単なる偶然のコンビではなく、リチタの物語を受け継ぐ関係として読むことができます。
リチタはなぜリーベを五つ葉の魔導書に入れた?
リチタがリーベを五つ葉の魔導書へ入れた理由は、最上位悪魔ルチフェロの干渉からリーベを守り、生き延びさせるためです。
この決定的な出来事は、第268話「悪魔」で描かれます。
リチタとリーベが親子のように暮らしていたある日、ルチフェロが現世にいるリーベへ干渉します。
リーベは悪魔でありながら、人間との契約を結ばないまま現世に存在していました。
ルチフェロはそんなリーベを利用し、自らが現世へ干渉するための足掛かりにしようとします。
しかしリチタは、それを黙って見ていませんでした。
リーベを操ろうとするルチフェロへ抵抗し、息子として守ろうとします。
その際には、リチタの魔力や生命力を奪う体質がルチフェロの魔力に作用し、干渉を退ける助けにもなりました。
ただし、その代償はあまりにも大きなものでした。
リチタは戦いの中で致命傷を負います。
それでも最後に選んだのは、自分が助かる方法ではなくリーベを生かすことでした。
ここで使われたのが、リチタ自身の魔法です。
リチタは「魔の宿っていないもの」を別のものへ出し入れできる魔法を持っていました。
そして、彼女の手元には少し前に拾った五つ葉の魔導書がありました。
重要なのは、リチタがこの魔導書を「誰かから使命を帯びて託された」と明かされているわけではない点です。
リチタは五つ葉の魔導書を拾っていた。
その魔導書が偶然とも運命とも呼びたくなる形で、リーベを守る器になります。
リチタは自分の魔法でリーベを五つ葉の魔導書へ入れ、ルチフェロから切り離しました。
そしてリーベは生き残ります。
魔導書の中で長い時間を過ごしたリーベには、やがて悪魔への強烈な憎しみから反魔法が生まれていきました。
ここまで来ると、第1話からアスタが持っていた五つ葉がとんでもなく重いアイテムだったと分かります。
もともとはリヒトの魔導書。
500年前の絶望によって五つ葉となり、その時代を知るセクレは500年後まで生き延びる。
その魔導書を後世でリチタが拾い、命懸けでリーベを逃がす場所として使う。
魔導書の中でリーベは反魔法を宿し、最終的にリチタの実の息子アスタがそれを手にする。
500年前の悲劇と、一人の母親の最期と、魔力を持たない人間と悪魔の出会いが、全部あの五つ葉へ集約されているわけです。

さらに見逃したくないのが、リチタの過去を知っている中心人物はアスタではなくリーベだということ。
第268話の過去は、基本的にリーベ側の記憶として描かれる物語です。
アスタ自身が幼い頃のリチタとの生活を思い出しているわけではありません。
だからアスタとリチタの物語は、よくある「失った母との思い出を取り戻す主人公」の形とは少し違います。
母の愛情を直接記憶していないアスタが、母に愛されたもう一人の息子リーベと出会い、その相手を支配するのではなく仲間として選ぶ。
僕はここが『ブラッククローバー』らしいところだと思います。
リチタがアスタを教会へ預けた理由は判明している?
リチタが赤ん坊のアスタを手放した理由については、彼女の特異体質との関連を強く考えられるものの、すべての事情が明確に説明されているわけではありません。
ここは考察と確定情報をきっちり分けたいポイントです。
第268話では、リチタが過去に赤ん坊を手放したことを示す描写が入り、アスタの母であることにつながっていきます。
一方、物語開始時からアスタはユノとともにハージ村の教会で育てられた捨て子として登場しています。
リチタは、近くにいる存在から魔力と生命力を奪ってしまう体質でした。
実際にそのため人里を離れ、一人で生活しています。
この設定を踏まえれば、自分のそばで赤ん坊を育てることが危険だったため手放したのではないかと考えるのは自然です。
ただし、これを作品内で明言された事実以上に広げるのは避けるべきでしょう。
たとえば「リチタの体質が原因でアスタの魔力がゼロになった」と断定することはできません。
アスタがいつ、どのような理由で魔力を持たない身体になったのかについても、安易に一つの原因へ結びつけるべきではありません。
同じように、アスタの父親についても、リチタ編だけで正体を確定できる情報は示されていません。
僕がここで重要だと思うのは、「なぜ捨てたのか」という言葉だけでリチタを評価しないことです。
リーベとの生活を見れば、リチタが子どもを遠ざけたい人物ではなかったことはよく分かります。
むしろリーベを自分の子として迎え、最後には命を懸けて守っています。
だからこそ、アスタを手放した場面は「愛情がなかった」ではなく、一緒にいることができない事情があった可能性を考えさせる描写として見るほうが自然なんじゃないかな。
ここでリーベの存在がさらに重要になります。
アスタへ直接伝えられなかったリチタの愛情を、別の息子であるリーベが知っている。
そしてそのリーベが、後にアスタの最重要パートナーになる。
この配置はかなり意図的に感じられます。
ネロとリチタが五つ葉の物語で果たした役割とは?
ネロとリチタの役割を分けて考えると、ネロは「過去の真実を現在へ届ける人物」、リチタは「未来へリーベの命を残した人物」だと整理できます。
ここでは人物関係そのものより、物語上の機能を見ると違いがはっきりします。
セクレが生きたのは約500年前。
ザグレドによって人間とエルフが争わされ、リヒトの四つ葉が五つ葉へ変わった時代です。
彼女はその真相を知ったまま、禁術の代償によって長い年月を生き続けました。
一方、リチタが生きたのはアスタが生まれた時代。
彼女は500年前の悲劇の当事者ではありません。
しかし、かつてリヒトのものだった五つ葉の魔導書を偶然拾ったことで、過去の因縁へ間接的に接続されます。
そしてリーベを魔導書へ入れるという選択が、その後の歴史を大きく変えることになりました。
この2人の共通点を無理に増やす必要はないと思うんです。
重要なのは二つ。
一つ目は、その場では敵を完全に倒せなくても、未来につながるものを残したこと。
セクレは500年前にザグレドとの因縁を完全に終わらせられませんでした。
それでもルミエルを未来へ残し、自分自身も500年後の決戦へたどり着きます。
リチタもルチフェロを倒すことはできませんでした。
しかしリーベだけは守り切りました。
そのリーベが後に反魔法を生み、アスタとともに悪魔たちへ立ち向かう存在になります。
もう一つは、「何者か」より「どう接するか」が人間関係を決めていることです。
リチタは、リーベを「悪魔だから」という理由だけで拒絶しませんでした。
そして第267話から始まる従魔の儀でも、アスタはリーベを単純な道具として扱いません。
第270話「二人」へ至る中で、アスタが選ぶのは一方的な主従ではなく、対等な関係です。
ここにリチタとアスタの共通性を感じるんだよね!
もちろんアスタは、リチタからその生き方を教わった記憶を持っているわけではありません。
だからこれは「母親から教わった思想をそのまま実践した」という話ではない。
直接教えられていないのに、結果として母と似た選択へたどり着く。
そこが熱いんです。
アニメでも第169話「従魔の儀」でアスタが悪魔の力を使いこなすための試練に入り、第170話「ハルカミライ」でリーベとの関係が大きく進みます。
従魔の儀では、悪魔と戦って勝ち、屈服させることが基本となります。
ところがアスタが選ぶ道は少し違う。
リーベを「自分の力を増幅するための装置」にしないんです。
リチタもまた、リーベを「珍しい悪魔」「便利な存在」として扱ったのではなく、一人の子どもとして見ました。
僕はこの対応こそ、ネロとリチタの物語を読み直したときに見えてくる重要なポイントだと思っています。
ネロとリチタから見る五つ葉の魔導書を考察
ここからは作中の事実を踏まえた僕なりの考察ですが、五つ葉の魔導書は「絶望の証」から「関係をつなぐ器」へ意味が反転していくアイテムとして描かれているように感じます。
五つ葉が生まれた起点は、決して明るいものではありません。
リヒトが仲間たちを失い、深い絶望へ落とされた結果として四つ葉の魔導書が五つ葉へ変化しました。
その意味だけを見れば、五つ葉はザグレドが狙った「絶望」の象徴です。
ところが、その後の歴史が面白い。
リチタは、その五つ葉をリーベの命を守るために使いました。
リーベはその中で反魔法を生みます。
そしてアスタは、五つ葉から得られる力を一方的に搾取するのではなく、その力の源であるリーベ本人と向き合います。
つまり同じ魔導書が、
リヒトの絶望
↓
リチタによる救命
↓
リーベの怒り
↓
アスタとリーベの共闘
という形で、少しずつ意味を変えているんです。
これって、ものすごく『ブラッククローバー』らしくないですか?
生まれや身分、魔力量など、「最初から決まっている条件」に人生を支配されないのがアスタの物語です。
そして五つ葉の魔導書もまた、「絶望から生まれた魔導書だから最後まで絶望を運ぶ」とは限らない。
使う者、そこに宿る者、関わる者の選択によって意味が変化しています。
僕には、五つ葉そのものがアスタの生き方を象徴しているように見えるんです。
もう一つ注目したいのが、ネロとリチタはともに「主人公が知らなかった過去」の側にいる人物だということ。
アスタは500年前の事件を知りません。
当然、リヒトがなぜ絶望し、五つ葉がどう誕生したのかも物語序盤では知りませんでした。
同じように、自分の母リチタとリーベが家族として暮らしていた過去も知りません。
けれどアスタは、知らないままその両方の歴史が重なった魔導書を手にしています。
ここが面白いんだよね。
「選ばれた血筋だから全部を知っている主人公」ではない。
アスタは何も知らない状態から人と出会い、戦い、相手を理解することで、自分が受け取っていたものの意味へ後から近づいていきます。
ネロは、アスタが知らない500年前の物語を現代へ運んだ存在。
リーベは、アスタが知らない母リチタの愛情を知っている存在。
そう考えると、アスタのそばには「本人が知らない過去を記憶している者」が二人いることになります。
ネロは歴史の証人。
リーベは家族の証人。
そして両者をつないでいるのが五つ葉の魔導書です。
僕はここに、単に「ネロとリチタは五つ葉でつながる」以上の構造を感じます。
五つ葉は力を与えるアイテムであると同時に、アスタが知らなかった自分と世界の歴史を運んでくる媒体にもなっているんじゃないかな。
だからネロの正体編とリチタの過去編を続けて読み返すと、第1話の五つ葉の見え方が変わります。
ボロボロで不気味な魔導書だったものが、500年分の因縁と二つの家族の物語を抱えた一冊に見えてくる。
この再読したときの変化こそ、『ブラッククローバー』の長期伏線の面白さだと思います。
まとめ|ネロとリチタは五つ葉を通してアスタとリーベへつながる
ブラッククローバーのネロの正体は、約500年前にルミエルへ仕えていたセクレ・スワロテイルです。
原作21巻には第195話〜第205話が収録され、第203話「今 封を切る時」から第205話「500年の真実」にかけて、セクレと500年前の因縁が大きく掘り下げられます。
禁術の影響で鳥の姿となったセクレは長い年月を生き、現代でアスタと出会いました。
彼女は五つ葉を500年間ずっと保管していた人物と断定するより、五つ葉が生まれた500年前の悲劇を現代まで知る生き証人と捉えるのが正確です。
一方のリチタはアスタの母親。
原作27巻の第268話「悪魔」で、魔力と生命力を奪ってしまう体質を持つ彼女とリーベの過去が描かれます。
リーベについては「魔力がないからリチタの体質が効かなかった」とだけ考えるのではなく、実際にリチタの体質による魔力・生命力への影響を受けない存在だったため、一緒に暮らすことができたと押さえておきたいところです。
ルチフェロがリーベへ干渉した際、リチタは命懸けで抵抗。
最後には、自分が拾っていた五つ葉の魔導書へリーベを入れることで、その命を守りました。
その後、魔導書の中でリーベに反魔法が生まれ、やがてリチタの実の息子アスタが五つ葉を手にします。
ネロとリチタには直接的な関係はありません。
それでも時系列で見れば、リヒトの絶望から生まれた五つ葉の過去をネロが現代へ運び、リチタがその五つ葉へリーベを託し、アスタがリーベとともに未来へ進むという一本の流れができます。
そして僕が特に面白いと思うのは、五つ葉がずっと同じ意味を持っていないことです。
絶望から生まれた魔導書が、リチタにとっては息子を救う器となり、アスタにとってはリーベと対等な相棒になるきっかけとなる。
過去に決められた意味さえ、自分の行動で変えていく。
それこそが、アスタという主人公にめちゃくちゃ似合う魔導書なんじゃないかな!
よくある質問
ブラッククローバーのネロの正体は誰?
ネロの正体はセクレ・スワロテイルです。
約500年前にルミエル・シルヴァミリオン・クローバーへ仕えていた封緘魔法の使い手で、原作21巻の第203話〜第205話付近で正体や過去が大きく明らかになります。
リチタは本当にアスタの母親?
はい。リチタはアスタの母親です。
原作27巻の第268話「悪魔」でリーベとの過去やアスタにつながる描写が明かされ、リチタがリーベを息子として愛していたことも描かれています。
ネロとリチタに直接の関係はある?
現時点で、ネロとリチタに直接的な血縁・師弟・友人関係は描かれていません。
ただし、ネロは五つ葉の魔導書が生まれた500年前の事件を知る人物で、リチタは後世でその五つ葉へリーベを入れました。さらにリーベの反魔法が宿った五つ葉をアスタが手にしたことで、2人の物語は一冊の魔導書を通して間接的につながっています。
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