ペイルライダーは『Fate/strange Fake』の偽ライダーで、英雄ではなく「死」や「疫病」への恐怖が形を得た、災厄そのものに近いサーヴァントです。
マスターは昏睡状態の少女・繰丘椿。感染によって人々を取り込み、椿を起点とする擬似的な「冥界」まで形成するため、普通のサーヴァントとは戦い方も存在の仕組みもまるで違います。
ペイルライダーとは何者?Fate/strange Fakeでの正体は?
ペイルライダーの正体は歴史上の一人の英雄ではなく、「死」や「疫病」に対して人類が抱いてきた恐怖が色濃く反映された異形のサーヴァントです。
『Fate/strange Fake』の舞台は、アメリカ西部にある都市スノーフィールド。
そこで行われる「偽りの聖杯戦争」において、繰丘椿のサーヴァントとしてライダークラスで現界します。
ただ、アルトリアやギルガメッシュのような「一人の英雄が英霊になった存在」を想像すると、ペイルライダーの本質を見誤ります。
ペイルライダーには、人間として生きた一生があるわけではありません。
肉体を持つ英雄でもなく、性別や人格さえ人間と同じ基準では捉えられない。
「誰かの死」ではなく、人類が恐れてきた“死をもたらすもの”がサーヴァントの枠へ落とし込まれた存在と考えると分かりやすいんです。
ここが『Fate/strange Fake』のサーヴァントの中でも、とびきり異質なんだよね!
ペイルライダーの名前は黙示録の第四の騎士とつながる
ペイルライダーという名前を理解するうえで外せないのが、『ヨハネの黙示録』に登場する第四の騎士です。
黙示録の四騎士のうち、青ざめた馬に乗る第四の騎士は「死」と結びつけられています。
『Fate/strange Fake』のペイルライダーにも、その「死」のイメージが強く反映されています。
ただし、ここで注意したいのが「ペイルライダー=ペストという特定の病気」ではないことです。
作中で強く表れるのは疫病の性質ですが、それだけが正体ではありません。
人間が長い歴史の中で恐れてきた病、死、災害、獣などのイメージが混ざり合うことで成立しており、「疫病を操る英霊」より「人類の死への恐怖が形を持った存在」と見る方が実像に近いでしょう。
なぜペイルライダーは「ライダー」なの?
「馬に乗っていないのに、どうしてライダーなの?」と思った人もいるはず。
ここがFateらしい設定のひねりです。
ペイルライダーはクラススキルとして「騎乗:EX」を持っています。
普通のライダーなら馬、戦車、船といった乗り物を操る能力として説明されるところですが、ペイルライダーの場合は発想そのものが違います。
疫病は、人間や動物、空気、水など、さまざまな媒介物に「乗って」広がります。
つまりペイルライダーの騎乗とは、単純な乗馬技術ではなく、何かを媒体として死が伝播していく性質そのものなんです。
個人的には、この設定はペイルライダーを象徴する最高にFateらしいアレンジだと思っています。
「ライダー=乗り物に乗る英雄」という既存イメージを壊し、「災厄だって何かに乗って広がるじゃないか」とクラス解釈そのものを拡張しているんですよね。
ペイルライダーが最初から人間的な悪意を持っているわけではない
ここも重要です。
ペイルライダーは、世界を滅ぼしたい悪人でも、人間を憎んでいる怪物でもありません。
召喚直後は聖杯戦争について与えられた知識をもとに、機械的ともいえる形でマスターの願いを実現しようとします。
つまり怖いのは、「悪いことをしよう」と考えて災害を起こしているわけではない点。
善悪の基準をほぼ持たない巨大な力が、少女の願いに忠実に動いてしまう。
これこそがペイルライダー陣営の恐ろしさなんです。
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ペイルライダーと繰丘椿の関係は?「まっくろさん」と呼ぶ理由
繰丘椿にとってペイルライダーは恐ろしい死の化身ではなく、孤独な夢の世界に現れた大切な友達「まっくろさん」です。
この「外から見た姿」と「椿から見た姿」の落差こそ、ペイルライダー陣営を理解する最大の鍵になります。
繰丘椿はなぜ昏睡状態になった?
繰丘椿は、スノーフィールドの病院で長期間眠り続けている少女です。
両親は魔術師で、娘の資質へ手を加える目的から、間桐の魔術を参考にした手法を椿へ施していました。
その結果、椿の身体には深刻な負担が生じ、彼女は現実世界で意識を失った状態になります。
そんな椿が、自分でも十分に状況を理解できないまま夢の世界で召喚したのがペイルライダーでした。
普通の聖杯戦争なら、触媒を用意し、召喚陣を描き、真名を持つ英霊を呼び出す展開をイメージしますよね。
ところがこの組み合わせは違います。
病床の少女の夢、身体に生じた異常、孤独への恐怖、そして「死」を象徴するサーヴァントが結びついて成立した陣営なんです。
召喚の時点からすでに、偽りの聖杯戦争らしい歪さが詰まっています。
椿はペイルライダーを「まっくろさん」と呼ぶ
椿から見たペイルライダーは、黒いもやのような存在です。
そこで彼女は、この異形のライダーを「まっくろさん」と呼んで親しく接します。
世界から見れば、人々を感染へ巻き込みかねない危険なサーヴァント。
でも、椿にとっては違います。
長く孤独の中にいた自分の前へ現れ、自分と一緒にいてくれる存在なんです。
この構図、めちゃくちゃ切ないよね。
読者には「危ない、止めなきゃ」と見えているのに、椿の視点では「ようやく友達ができた」という幸福として成立してしまっているんです。
椿の優しい願いが恐ろしい形で実現される
ペイルライダーは、マスターである椿の願いへ非常に忠実です。
問題は、椿の願い自体が邪悪ではないこと。
両親と一緒にいたい。
みんなと仲良くしたい。
寂しい思いをしたくない。
子どもとして見れば、どれも自然な望みですよね。
しかし、その願いを実行するのが「死」と「感染」に近い性質を持つペイルライダーだったらどうなるのか。
人々を自分の影響下へ取り込み、同じ世界へ引き込んでしまえば、表面的には「みんな一緒」を実現できます。
けれど、それは当然ながら当人たちの自由意思によるものではありません。
願いは優しいのに、叶え方が災厄そのもの。
僕はペイルライダー陣営の怖さを一言で表すなら、ここに尽きると思っています。
両親まで「椿が望む両親」になっていく
椿の両親もペイルライダーの影響を受けます。
現実では娘を魔術師として扱い、彼女へ過酷な処置を施した両親。
ところが椿の世界では、彼女が望むような父親と母親として振る舞う状態になります。
椿にとっては幸福でしょう。
でも外から見ると、これほど不気味な状況もありません。
本人が異常だと認識しないまま、自分にとって都合のいい幸福だけが完成していく。
『Fate』シリーズでは聖杯が「願望機」として描かれてきましたが、椿とペイルライダーの関係は、願いが叶うことと幸福になることは同じではないと強烈に見せているように感じます。
ペイルライダーには心が芽生え始めるのか?
さらに面白いのが、最初は人間らしい心をほとんど感じさせなかったペイルライダーにも変化が見えてくる点です。
悲しむ椿を気にかけたり、彼女を守ろうとしたりと、「与えられた命令を処理しているだけ」とは言い切れない振る舞いが増えていきます。
もちろん、これを「人間と同じ心を手に入れた」と断定するのは早いでしょう。
それでも、生命ですらない災厄が、一人の少女と過ごすことで関係性を学び始めるという構図は非常に重要です。

ペイルライダーの能力は?感染A・騎乗EX・冥界の導きを整理
ペイルライダーの能力は「敵を殴って倒す力」より、感染を広げて人と場所を自分の領域へ組み込む“盤面支配”に特化しています。
主なステータスとスキルを整理すると、次の通りです。
項目 ランク
筋力 E
耐久 A
敏捷 B
魔力 A
幸運 C
宝具 EX
対魔力 C
騎乗 EX
感染 A
無辜の世界 EX
冥界の導き EX
筋力だけを見るとE。
「意外と弱い?」と思ってしまいそうですが、この見方こそ危険です。
ペイルライダーは剣や槍で正面から殴り合うサーヴァントではありません。
戦闘が始まる前から、人間や土地そのものを自分の影響下へ変えていける。
だから僕は、ペイルライダーの強さを考えるときは「攻撃力」ではなく戦場そのものを誰のルールで支配できるかを見るべきだと思っています。
感染Aとは何ができる?
「感染:A」は、細菌やウイルスのような形で分け身を感染させ、対象の精神や肉体へ干渉するスキルです。
感染した者は精神・肉体へ影響を受け、ペイルライダーの宝具で形成された世界へ意識を引き込まれることがあります。
さらに状況によっては、感染した対象から魔力などを吸収する性質も示されます。
ここが厄介なのは、「感染したらその場ですぐ倒れる」という単純な能力ではないこと。
外から普通に活動しているように見えても、すでに影響を受けている可能性がある。
聖杯戦争では敵マスターや敵サーヴァントの位置を探る情報戦が重要ですが、ペイルライダーが相手だと、その街の人々自体が安全な情報源なのか判断しにくくなります。
つまり感染Aは攻撃スキルというより、都市そのものを信用できない空間へ変えていく能力と考えた方が怖さが伝わるんです。
無辜の世界EXとは?
「無辜の世界:EX」には、人々が「死」や「疫病」へ抱いてきた恐怖やイメージが強く反映されています。
しかし、そのイメージは一つではありません。
病で死ぬ恐怖。
飢える恐怖。
獣に襲われる恐怖。
時代や地域が違えば、人類が想像する「死の姿」も変わりますよね。
そのためペイルライダーは、召喚された時点で一つの伝承へ固定された英雄とは違い、非常に曖昧で幅の広い存在になっています。
さらに、宝具によって作られた冥界へ何を取り込んだかによって、存在の方向性まで変化し得る性質を持ちます。
ここから分かるのは、ペイルライダーには「この技を封じれば終わり」という攻略が通じにくいこと。
戦っているうちに状況そのものが変化するタイプなんです。
冥界の導きEXは味方を強化する
「冥界の導き:EX」は、宝具によって冥界化した領域へ取り込まれた者のうち、ペイルライダーが味方と見なした存在へさまざまな加護を与えるスキルです。
つまりペイルライダーは、敵を感染させるだけではありません。
自分の領域を広げるほど、そこを味方側が活動しやすいホームグラウンドへ変えていけるんです。
ゲームにたとえるなら、
- 敵へ状態異常を与える
- 自分側へ強化効果を与える
- マップそのものを自軍有利に書き換える
この三つを同時に進めるようなもの。
筋力Eだけを見て「近接戦が弱いから大したことない」と判断したら、とんでもないことになるよね!
ペイルライダーの宝具は?冥界と「剣、饑饉、死、獣」の仕組み
ペイルライダーは、マスターを起点に擬似的な冥界を作る宝具と、その内部でさまざまな“死を与えるもの”を具現化する宝具を持っています。
能力の本質を理解するうえで、この二つはセットで考える必要があります。
「来たれ、冥き途よ、来たれ」はマスターを起点に冥界を作る
EXランクの対界宝具が「来たれ、冥き途よ、来たれ(ドゥームズデイ・カム)」です。
自らが与えた「死」という結果を受け入れる場所として、マスターを起点に擬似的な「冥界」となる結界世界を形成します。
重要なのは、その世界の姿が固定されていないこと。
マスターが抱くイメージに左右されるため、地獄や天国のような場所になることもあれば、まったく異なる空間になる可能性もあります。
緊急時には、精神だけではなく対象を肉体ごと内部へ引き入れることも可能です。
「幻覚を見せる能力」と考えると、完全に見誤ります。
現実の戦場とは別のルールが成立する領域を作ってしまう宝具なんです。
冥界は本当にスノーフィールド市内のほぼ全域まで広がった?
結論から言うと、作中では観測された段階でスノーフィールド市内のほぼ全域が領域に入るほど大規模化しています。
ただし、ここには重要な注意点があります。
この宝具は本来、もっと小規模なもの。
『Fate/strange Fake』では、スノーフィールドという土地そのものや複数の要素と結びついたため、通常召喚時より大きな結界を形成しています。
ギルガメッシュとエルキドゥの戦いを観測していた時点では、市内のほぼ全域が支配下へ入る規模になっていました。
つまり、
「ペイルライダーなら、いつでも無条件で都市全域を覆える」わけではありません。
特定の召喚条件と土地が噛み合った『strange Fake』だからこその規模なんですね。
ここを省いて「都市を丸ごと支配できる最強宝具」とだけ説明すると、能力を必要以上に盛ってしまいます。
原作では6巻から7巻にかけてペイルライダー陣営が大きく動く
ペイルライダーの詳細なステータスやスキルは、物語が進んだ段階で整理されていきます。
そして第7巻では、ペイルライダーが作り出した空間が破られた直後から、スノーフィールドの事態がさらに大きく動き出します。
原作を追う場合、「登場した時点ですべての能力が一気に説明される」というキャラクターではありません。
最初は正体不明の黒い異形として不気味さを見せ、後から能力の仕組みと危険性が整理されていく構成になっています。
この見せ方がうまいんですよね。
「強い設定だから怖い」のではなく、読者側も少しずつ正体を理解していくことで、初期の何気ない描写まで怖く見えてくるんです。
「剣、饑饉、死、獣」は何をする宝具?
もう一つがAランクの対軍宝具、「剣、饑饉、死、獣(かごめ かごめ)」です。
これは自身の結界内で、他者へ「死」をもたらすさまざまなものを具現化し、その力を行使する宝具。
レンジは99、最大捕捉は999。
環境が完全に整えば、神話に語られる「終末」を魔力が許す範囲で再現する可能性まで秘めています。
字面だけでもとんでもない能力ですよね。
しかし、実際には大きな制限があります。
椿は黙示録やラグナロクについて十分な知識を持っておらず、地獄のような世界を望んでもいません。
そのため、ペイルライダーが理論上持つ「終末」の可能性が、作中でそのまま最大出力になっているわけではありません。
さらに、この宝具はマスターによって読み方が変化する性質も持ちます。
これ、かなり重要だと思うんです。
同じサーヴァントを召喚しても、誰がマスターになるかによって宝具世界の意味や見え方まで変わり得る。
椿は単なる魔力供給役ではなく、ペイルライダーという存在の完成形を決める一部になっているんですね。
※この記事にはPRを含みます。ペイルライダーのスキルや宝具は、プロフィールだけでなく物語中の展開と合わせて読むと「なぜこの能力が危険なのか」が分かりやすくなります。原作で能力開示の流れを追いたい場合は、取り扱い巻を確認してみてください。👉 コミックシーモアで『Fate/strange Fake』の取り扱い巻を確認する
ペイルライダーは最強?弱点と攻略法をどう考える?
ペイルライダーは都市規模の脅威になり得るサーヴァントですが、「誰と戦っても勝つ最強キャラ」ではありません。感染・冥界・マスターとの契約という三つの軸を崩せるかが攻略の鍵になります。
ここからは、作中で確認できる能力を踏まえた僕なりの考察です。
Fateシリーズの戦いは、筋力や敏捷の数字だけで決まりません。
宝具同士の相性、概念的な優劣、魔術、マスターとの関係まで含めて勝敗が変化します。
そのためペイルライダーも、「感染できるから絶対勝つ」とは言えないんです。
感染を治せれば倒せる?
感染への対抗手段は、間違いなく重要でしょう。
ただし、感染対策ができる=ペイルライダーを完全攻略できるではありません。
ペイルライダーには感染とは別に、冥界を形成する宝具があります。
さらに結界内部で死を与えるものを具現化する能力まで持つ。
つまり、一種類の病を治せる能力があったとしても、それだけで全能力を無効化できるとは限りません。
反対に「死そのものだから治療能力は全部無意味」と断定するのも危険です。
Fateは概念の相性で結果がひっくり返る作品。
だからこそペイルライダー戦は、「誰のステータスが高いか」よりどの能力がどこまで届くのかを考えるのが面白いんですよね。
ペイルライダー本体を攻撃すればいい?
これも簡単ではありません。
一般的なサーヴァントなら、「本体を見つけて宝具を叩き込む」という発想が成立します。
ところがペイルライダーは、固定された人型の肉体を持つ英霊とは存在の仕方そのものが違います。
感染、拡散、領域形成が存在と深く結びついているため、「黒い影を斬れば全部終わる」と考えるのは難しいでしょう。
とはいえ、ここで「不死身」「絶対に本体を倒せない」と断定するのも行き過ぎです。
作中で示されているのは通常のサーヴァントと同じ攻略方法が通用しにくいということ。
無限に復活する存在だと決めつけるべきではありません。
最大の攻略軸は繰丘椿との関係
僕がもっとも重要だと思うのは、マスターである椿です。
「来たれ、冥き途よ、来たれ」はマスターを起点に形成され、世界の内容もマスターのイメージに影響されます。
つまりペイルライダーの巨大な能力は、椿との結びつきと切り離して考えられません。
ここから考えれば、
- 感染へ対処する
- 冥界そのものへ干渉する
- 椿をペイルライダーの支配から救う
- マスターとサーヴァントの契約状態を変える
といった複数の攻略軸が浮かびます。
僕には、ペイルライダー戦は「ボスのHPをゼロにする戦闘」というより、暴走している巨大なシステムをどう停止させるかという攻略戦に見えます。

なぜペイルライダーは『Fate/strange Fake』に配置されたのか?
ペイルライダーは「本物の英雄を召喚する」という聖杯戦争の常識を崩し、『strange Fake』という作品の“偽物と本物の境界”を象徴する存在の一つだと僕は考えています。
ここからは作品構造についての私見です。
『Fate/strange Fake』というタイトル自体、「Fake=偽物」を強く意識させますよね。
舞台となる聖杯戦争も冬木のシステムを模倣した「偽りの聖杯戦争」で、登場する陣営や召喚そのものにも例外が次々と現れます。
そんな物語に、「一人の英雄ではないペイルライダー」がいるのは偶然ではないように感じるんです。
「英霊ではないもの」がサーヴァントとして成立している
通常、サーヴァントと聞けば「歴史や神話で名を残した誰か」を思い浮かべます。
しかしペイルライダーは「誰」という問いへの答えが極端に曖昧です。
一人の人間でもなければ、特定の病原体でもない。
人々が長い歴史の中で抱き続けてきた「死への恐れ」のようなものが、聖杯戦争の器へ押し込まれている。
ここがすごく『strange Fake』らしいんですよ。
偽物の聖杯戦争だからこそ、本来なら“英雄”と呼びにくいものまでサーヴァントとして現れてしまう。
僕はペイルライダーを、単なる強敵ではなく「この聖杯戦争は既存のルールで測れませんよ」と読者に突きつける存在だと見ています。
エルキドゥとの対比も面白い
もう一つ興味深いのがエルキドゥとの対比です。
エルキドゥも、最初から普通の人間として生まれた存在ではありません。
それでも人と出会い、関係を築くことで人格や感情を育ててきました。
一方のペイルライダーは、人どころか生命として扱うことさえ難しい災厄です。
そんな存在が椿と過ごすうちに、彼女を気にかけ、守ろうとするような振る舞いを見せる。
ここには、
「人ではない存在に、他者との関係から心が生まれることはあるのか?」
という共通した問いが見えてきます。
ただし両者は同じではありません。
エルキドゥは自ら選択し、人との関係を築いて人格を形成していきました。
ペイルライダーは召喚当初、聖杯から与えられた知識とマスターの願いへ従う性質が非常に強い。
だからこそ、そこから自発的な感情が生まれるとすれば、その変化はより劇的です。
エルキドゥが警戒するのは単純な戦闘力ではない
ペイルライダーの危険性を理解するうえでは、エルキドゥの反応も重要です。
とくに問題になるのが、ペイルライダーの災厄としての性質が、聖杯内部の悪性を帯びた「泥」と結びつく可能性。
この組み合わせは、単なる一都市の聖杯戦争では済まない規模の災害へ発展することが危惧されています。
ただし、ここは誤解しないようにしたいところ。
ペイルライダー単体が無条件で地球を滅ぼせる、という意味ではありません。
別の危険要素と結びついた場合に、方向性のない巨大な災厄がさらに最悪の形へ変質しかねない、という話です。
ペイルライダーの怖さは「一撃の火力」より、「何と混ざるか」「どこまで広がるか」で危険度そのものが変わること。
まさに災害型サーヴァントなんですよね。
一番怖いのは「悪役ではない」こと
そして僕が一番面白いと思うのは、ペイルライダーも椿も、典型的な悪役ではないことです。
人類への復讐を望んでいるわけではない。
世界征服を企んでいるわけでもない。
ただ、椿は寂しくない世界を望み、ペイルライダーがそれを実現しようとしているだけ。
それなのに、組み合わせ次第で都市全体を巻き込む事態になる。
悪意がないから安全なのではなく、悪意がないからこそ止まり方を知らない。
ここが本当に怖い。
同時に、そんな「死」の象徴が椿と接する中で、誰かを大切にするような感情を学び始めているように見える。
だからペイルライダーは、ただのホラー要員では終わらないんです。
「少女を死へ連れていく死神」ではなく、見方を変えれば死を象徴する存在が、少女との関係を通じて“生きた心”へ近づいていく物語にもなっている。
「まっくろさん」という可愛らしい呼び名が、設定を知れば知るほど重く響いてくるんじゃないかな。
まとめ:ペイルライダーは病だけでは語れない異形の偽ライダー
ペイルライダーは『Fate/strange Fake』の偽りの聖杯戦争に現れたライダーで、マスターは昏睡状態の少女・繰丘椿です。
正体は一人の英雄や「ペストという特定の病」ではなく、黙示録の第四の騎士と結びつきながら、人類が「死」や「疫病」へ抱いてきた恐怖を背負った異質な存在として描かれています。
能力の中心は「感染:A」「騎乗:EX」「無辜の世界:EX」「冥界の導き:EX」。
さらにEXランクの対界宝具「来たれ、冥き途よ、来たれ」でマスターを起点とする冥界を形成し、「剣、饑饉、死、獣」によって結界内部でさまざまな死を具現化します。
スノーフィールドでは土地など複数の条件と結びついたことで、通常召喚時より大きな領域を形成しました。
そのため都市規模の脅威なのは間違いありませんが、「いつでも都市全域を覆える」「誰にも負けない最強サーヴァント」と単純化するのは違います。
そして何より重要なのが、繰丘椿との関係です。
世界から見れば死を運ぶ恐ろしい存在なのに、椿から見れば孤独な自分のそばにいてくれる「まっくろさん」。
この認識の落差があるからこそ、ペイルライダーは単なる設定上の強キャラではなく、『Fate/strange Fake』でも特に印象へ残るサーヴァントになっているんじゃないかな!
よくある質問
ペイルライダーの正体はペストなの?
ペストという一種類の疫病そのものではありません。
疫病の性質を強く持っていますが、より広く「死」や「疫病」への人類の恐怖を反映した存在です。
黙示録の第四の騎士「死」と結びつく点も、ペイルライダーを理解する重要な要素です。
ペイルライダーのマスターは誰?
マスターは繰丘椿です。
椿は現実世界では長期間の昏睡状態にあり、夢の中でペイルライダーと関係を築いています。
ペイルライダーを恐ろしい怪物とは認識せず、「まっくろさん」と呼んで友達のように接している点が大きな特徴です。
ペイルライダーはなぜライダークラスなの?
馬に乗る英雄だからではありません。
疫病や災厄が人、動物、空気、水などさまざまな媒介物に「乗って」広がる性質が、ライダークラスとして表現されています。
その特殊性を象徴するように、騎乗スキルはEXです。
ペイルライダーの宝具は何?
代表的なのは「来たれ、冥き途よ、来たれ(ドゥームズデイ・カム)」と「剣、饑饉、死、獣(かごめ かごめ)」です。
前者はマスターを起点とする擬似的な冥界を形成し、後者はその結界内で他者へ死をもたらすものを具現化します。
ペイルライダーはFate最強なの?
非常に危険ですが、無条件の最強とは言えません。
感染、冥界、領域支配という特殊能力を持つ一方で、Fateシリーズでは概念や宝具の相性、マスターとの契約状態によって勝敗が変わります。
単純な筋力や火力より、相手が感染・結界・椿とのつながりへどう対処できるかが重要です。
ペイルライダーの冥界はスノーフィールド全域を覆うの?
作中では通常より大規模化し、観測時点でスノーフィールド市内のほぼ全域が領域へ入るほど広がっています。
ただし、これは土地など複数の条件と結びついた結果です。
「ペイルライダーなら常に無条件で都市全体を覆える」という意味ではありません。
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