ルチフェロはダンテに力を与える重力魔法の悪魔、メギキュラはヴァニカに憑く呪符魔法の悪魔で、ダンテ自身は人間の悪魔憑きだ。
『ブラッククローバー』のスペード王国編では、この「悪魔」と「宿主」の違いを押さえるだけで敵勢力の構造がかなり見えやすくなるよ!
さらにダンテたち漆黒の三極性が進めたクリフォトの樹、ヤミとヴァンジャンスが狙われた理由までつなげると、ルチフェロやメギキュラが物語全体で何を意味していたのかも分かってくる。
ブラッククローバーのルチフェロ・ダンテ・メギキュラとは?
ルチフェロとメギキュラは悪魔、ダンテ・ゾグラティスはルチフェロの力を宿した人間であり、3者は同じ「敵」でも立場がまったく違う。
まず一番混乱しやすいのが、「ルチフェロとダンテは別人なの?」という部分じゃないかな。
答えは明確で、別の存在だ。
ダンテはスペード王国を支配するゾグラティス兄妹「漆黒の三極性」の一人であり、ヴァニカとゼノンの兄にあたる人間。
そのダンテへ力を与えている最上位悪魔の一体がルチフェロだ。
一方、メギキュラの宿主となっているのはダンテではなく、妹のヴァニカ・ゾグラティス。
関係を簡潔に整理するとこうなる。
- ルチフェロ:重力魔法を操る最上位悪魔。ダンテがその力を宿す
- ダンテ・ゾグラティス:漆黒の三極性の一人。自身の肉体魔法とルチフェロ由来の重力魔法を使用
- メギキュラ:呪符魔法を操る最上位悪魔。ヴァニカがその力を宿す
- ヴァニカ・ゾグラティス:漆黒の三極性の一人。自身の血液魔法とメギキュラ由来の呪符魔法を使用
- ゼノン・ゾグラティス:漆黒の三極性の一人。骨魔法と悪魔由来の空間魔法を使用
つまりスペード王国編は、「悪魔が直接攻めてきただけの章」ではないんだ。
悪魔の力を積極的に利用する人間たちが国家を掌握し、さらに冥府そのものを現世へ接続しようとする物語になっている。
ここがエルフ編までに登場した悪魔との大きな違いでもあると僕は感じている。
ザグレドは人間やエルフの憎悪・対立を利用して悲劇を拡大させた。
それに対してスペード王国編では、ダンテたち人間側が自ら悪魔と結びつき、その力を使って目的を実現しようとしているんだよね。
人間が悪魔に騙されるだけではなく、分かったうえで悪魔の力へ手を伸ばしている。
この変化によって、『ブラッククローバー』における悪魔の脅威が一段階深くなったと考えられる。
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クリフォトの樹とは?漆黒の三極性が狙った敵勢力の計画
漆黒の三極性が進めた大きな計画は、クリフォトの樹によって冥府と現世をつなぎ、悪魔たちを現世へ解放することだった。
ここを押さえないと、なぜダンテがヤミを狙い、ゼノンがヴァンジャンスを連れ去ったのかがつながらない。
クリフォトの樹を発動させるためには、ヤミ・スケヒロの闇魔法とウィリアム・ヴァンジャンスの世界樹魔法という特殊な組み合わせが必要だった。
だから漆黒の三極性による各地への襲撃は、単なる領土拡大ではない。
ダンテは黒の暴牛のアジトへ乗り込み、ヤミを狙う。
ゼノンは金色の夜明けを襲撃し、ヴァンジャンスを連れ去る。
ヴァニカはハート王国へ侵攻し、ロロペチカやノエルたちと衝突した。
別々に見えた戦いが、最終的には「冥府を開く」という一つの巨大な脅威へ収束していくんだ。
そしてクリフォトの樹では、冥府の門が段階的に開くことで、より強力な悪魔が現世へ出てくる危険があった。
その最深部級にいる存在として立ちはだかるのがルチフェロだ。
つまりダンテは単独で完結するボスではない。
ダンテたち漆黒の三極性は、人間世界から悪魔の世界へ橋を架ける実行役でもあったと考えると分かりやすい。
ここが「敵勢力の核心」なんだよね!
ダンテ、ヴァニカ、ゼノンは性格も戦う理由も同じではない。
ただし、それぞれが最上位悪魔の力を宿して活動した結果、クリフォト計画という世界規模の危機につながっていく。
僕はこの構造がスペード王国編の面白さだと思っている。
「巨大な悪の組織が全員同じ思想で動く」のではなく、それぞれ別方向に歪んだ人間たちが、悪魔という共通の力によって一つの災厄を作ってしまうんだ。
ブラッククローバーのルチフェロとは?強さとリーベとの因縁
ルチフェロは重力魔法を操る最上位悪魔で、ダンテへ力を与えるだけでなく、アスタの母リチタとリーベの過去にも深く関わる存在だ。
ルチフェロ最大の特徴は、何といっても重力魔法。
周囲へ強烈な重力をかけるだけでなく、戦場そのものを自分が有利な空間へ変えてしまう。
ダンテが使っていた重力魔法も、もともとはルチフェロの力だ。
ただ、ルチフェロ本人が恐ろしいのは魔法だけじゃない。
現世へ完全な状態で顕現していない段階でさえ、団長クラスを含む魔道士たちを圧倒するほどの基礎能力を見せた。
アスタやユノ、ヤミ、ナハトたちが次々と立ち向かっても、普通の強敵のようには崩れてくれない。
『ブラッククローバー』では、強力な魔法にも属性相性や連携、特殊な術式によって突破口が作られることが多い。
ところがルチフェロは、能力を攻略する以前に本体の速度・耐久力・膂力まで規格外なんだ。
魔法を封じれば勝てる、という相手じゃない。
この「ルールを攻略しても最後にフィジカルという巨大な壁が残る」感じが、ルチフェロ戦の絶望感につながっていると思う。

ルチフェロとリチタ、リーベにはどんな因縁がある?
ルチフェロがアスタ側の物語で特別なのは、アスタの母リチタと反魔法の悪魔リーベの過去に関わっているからだ。
最下級悪魔だったリーベは冥府から現世へ出た後、リチタと出会う。
リチタはリーベを恐れて排除するのではなく、家族のように受け入れた。
孤独だったリーベにとって、それは初めてと言っていいほど温かな時間だった。
しかしルチフェロがリーベの肉体を利用して現世へ干渉しようとしたことで、その日常は壊れてしまう。
リチタはルチフェロに抵抗し、リーベを守るために行動した末、命を落とした。
そのためリーベにとってルチフェロは、自分を家族として愛してくれたリチタを奪った仇になる。
ここで面白いのは、アスタ本人がリチタとの記憶を持って戦っているわけではないことだ。
母との直接的な思い出を持たないアスタと、母代わりだったリチタの記憶を持つリーベ。
二人が悪魔同化によって一つになってルチフェロと戦うことで、アスタが知らなかった自分のルーツと、リーベが失った家族への思いが一つの戦いへ重なる。
僕はこれがルチフェロ戦の感情的な核だと思う。
単に「世界を救うため最強の悪魔を倒す」のではなく、アスタとリーベという二人が家族になった理由までさかのぼる決戦になっているんだよね。
ルチフェロは最後どうなった?
クリフォトの樹をめぐる戦いでは、ルチフェロは完全顕現へ至る前に現世へ姿を現す。
それでもその力は圧倒的だった。
魔法騎士たちを次々と退けるルチフェロに対し、最終的な突破口を作ったのがアスタとリーベの悪魔同化だ。
二人の同調がさらに深まり、アスタはルチフェロへ決定的な反撃を仕掛ける。
第329話では、追い詰められたルチフェロが冥府に残された自身の力へ言及し、再戦を示唆しながらその場を離れようとする。
しかしユノによって退路を封じられ、アスタの攻撃を受けることになった。
その後、ルチフェロの心臓はアドラメレクによって持ち去られている。
この「心臓が回収された」という一点が重要だ。
強敵を倒して終わりではなく、ルチフェロという巨大な力そのものが後の物語へ持ち越される形になったからだ。
また、追い詰められた時のルチフェロについて、僕には「人間そのものを恐れた」と断定するより、自分より下だと決めつけていた人間が何度でも立ち上がることへの理解不能と動揺が表面化したように映る。
力の差を絶対視していた存在だからこそ、その前提を壊されること自体が最大の屈辱だったんじゃないかな。
ブラッククローバーのダンテとは?ルチフェロとの関係と敗北
ダンテ・ゾグラティスは漆黒の三極性の一人で、ルチフェロ由来の重力魔法と自身の肉体魔法を組み合わせる悪魔憑きだ。
ダンテはヴァニカとゼノンの兄にあたり、悪意を肯定する強烈な価値観を持つ人物として登場する。
彼は人間の怒り、憎悪、嫉妬、復讐心といった負の感情を「人間らしさ」として捉え、それを引き出す行為さえ楽しむ。
ルチフェロが圧倒的な力によって他者を見下す悪魔なら、ダンテは人間でありながら悪意そのものへ価値を見いだしている敵なんだよね。
だからこそ、スペード王国編が「悪魔だけが悪い」という単純な話にならない。
人間側にも、自ら悪魔の力を受け入れる理由と欲望があるんだ。
ダンテの重力魔法と肉体魔法は何が強い?
ダンテが厄介なのは、攻撃と防御の両方が非常に高い水準にあることだ。
ルチフェロ由来の重力魔法では、周囲へ圧力をかけて自由を奪ったり、重力を利用した強烈な攻撃を放ったりできる。
「重力特異点」のように、触れること自体が危険な攻撃も持っている。
そしてダンテ自身が持つのが肉体魔法だ。
肉体を自在に変形・強化できるだけでなく、悪魔の力と組み合わせることで驚異的な再生能力を発揮する。
ヤミの攻撃が通っても再生する。
アスタが攻めても簡単には倒れない。
つまりダンテは、近づくことが難しい重力魔法と、攻撃を当てても回復する肉体魔法を同時に持つ。
普通に考えたら反則級だよね!
ダンテはヤミとアスタに一度敗れている
ダンテの敗北を整理するときは、いきなりマグナ戦だけを見ると時系列が分かりにくい。
最初の大きな決戦では、黒の暴牛のアジトを襲ったダンテに対してヤミが戦い、最終的にアスタとの共闘へ発展する。
再生を続けるダンテを倒すには、肉体魔法そのものを無力化できる反魔法が必要だった。
そこでヤミはアスタへ決定打を託し、アスタもリーベの力を引き出してダンテを斬る。
この時点でダンテは一度敗北する。
ところが直後、ゼノンが現れてダンテを回収すると同時に、ヤミをスペード王国へ連れ去ってしまう。
だから読者側からすると「ようやく勝った!」と思った瞬間に状況がひっくり返るんだ。
ヤミを救えないどころか、敵が求めていたクリフォト計画の条件まで揃ってしまう。
勝ったのに戦局では負ける。
この苦さがスペード王国編らしいところだと思う。
その後、クリフォトの樹によって冥府の門が開き始めたことで、漆黒の三極性はそれまで以上の悪魔の力を引き出せる状態になる。
ダンテも再び立ちはだかり、ここからマグナとの名勝負につながっていく。
ダンテ戦は「ヤミ&アスタ戦」と「マグナ戦」を続けて読むと、同じ敵の攻略法がまるで違うことがよく分かる。コミックシーモアでは会員登録だけで自動的に月額料金が発生する仕組みではなく、必要な作品を選んで購入する使い方ができるよ。無料作品や割引、クーポンなどは時期によって変わるため、読みたい巻の配信状況とあわせて現在の内容を確認してみてね。⇒ コミックシーモアで『ブラッククローバー』の配信状況を確認する
なぜダンテはマグナに敗れた?
ダンテの二度目の大きな敗北を生み出したのが、マグナ・スウィングだ。
魔力量だけで考えれば、ダンテとマグナには圧倒的な差がある。
ダンテ自身もマグナを脅威とは考えていなかった。
ところがマグナは、ゾラとともに積み重ねた修行の末、裏炎魔法「魂炎鎖死決闘(ソウルチェーンデスマッチ)」を完成させていた。
この術式では、術者と対象の魔力をまとめ、それを均等に分ける。
つまりダンテが持っていた巨大な魔力量というアドバンテージを、そのまま勝利条件にさせないんだ。
ここがめちゃくちゃ面白い!
マグナはダンテ以上の魔力を突然手に入れたわけじゃない。
「魔力量で勝てないなら、その魔力量の差自体を戦いから消してしまう」という発想で挑んだ。
ただし、条件を五分にしただけで自動的に勝てるわけではない。
ダンテには肉体魔法による再生があり、消耗戦になれば簡単には倒れない。
しかしダンテは、それまで自分の魔力が底をつく戦いをほとんど想定していなかった。
再生にも魔力を使い続け、最後には魔力を使い果たす。
そして最後に残ったのが、魔法のない拳と拳の殴り合いだった。
そこでマグナが勝つ。
僕はこの戦いが『ブラッククローバー』という作品のテーマをものすごく分かりやすく表していると思う。
アスタもまた、生まれながら魔力を持たない少年だった。
才能や血筋、魔力量によって「お前には無理だ」と決めつけられる世界で、それでも戦い方を探し続けてきた。
マグナも同じだ。
ダンテを正面から上回るのではなく、自分に可能な技術を積み上げ、強者が決めたルールそのものを書き換えた。
ダンテの敗北は、強い者が弱い者の価値まで決めていいという考えを、戦闘そのもので否定した決着だったと僕は考えている。
そして敗北後のダンテとルチフェロの関係についても、対等な仲間同士とは言いにくい。
ルチフェロがダンテへ情を持っていたような描写ではなく、悪魔側にとって人間の宿主も目的のための存在にすぎないことが伝わってくる。
「ルチフェロがダンテを見限った」と言い切るより、敗北したダンテが悪魔から対等な仲間として扱われていなかったことが浮き彫りになったと見る方が正確じゃないかな。
ブラッククローバーのメギキュラとは?ノエルとの因縁を解説
メギキュラはヴァニカへ力を与える呪符魔法の悪魔で、ノエルの母アシエ・シルヴァとハート王国女王ロロペチカへ呪いをかけた因縁深い存在だ。
メギキュラはルチフェロとは違った怖さを持っている。
ルチフェロが圧倒的な力で相手をねじ伏せるタイプなら、メギキュラは呪いを使い、相手が戦える条件そのものを崩していく。
さらに人間の感情や行動へ強い興味を示す点も特徴的だ。
もちろん、人間を理解して寄り添いたいわけではない。
むしろ観察対象として扱い、自分の呪いがどう作用するのかを確かめるような不気味さがある。
アシエ・シルヴァはなぜメギキュラに呪われた?
メギキュラとシルヴァ家の因縁は、ノエルが生まれた頃までさかのぼる。
ヴァニカは強者との戦いを求め、当時すでに高い実力を持っていたアシエ・シルヴァへ戦いを挑んだ。
アシエはヴァニカを追い詰めるが、その場でメギキュラの呪いを受けてしまう。
この呪いがアシエの死へつながり、さらにメギキュラに関する事情を口にすること自体にも危険が伴ったため、ノゼルは真実を家族へ説明できなかった。
その結果、ノエルは母の死の真相を知らないまま育つ。
兄姉との関係もこじれ、シルヴァ家に長く残る傷になってしまった。
だからメギキュラは「ノエルの母を倒した敵」というだけではない。
たった一つの呪いによって、シルヴァ家の人間関係を何年にもわたって歪ませた存在なんだ。
さらにメギキュラは、ハート王国女王ロロペチカにも致命的な呪いを与えている。
ノエルとロロペチカが協力してヴァニカとメギキュラへ立ち向かう理由には、それぞれ別の人生を傷つけられた者同士という共通点がある。
メギキュラの呪符魔法と「邪神女呪音」とは?
メギキュラが使うのは呪符魔法だ。
相手を呪うだけでなく、魔法を弱めたり、状態を変化させたり、回復へ応用したりと非常に幅が広い。
中でも厄介なのが「衰える世界」。
周囲の魔法へ干渉して弱体化させるため、強力な技を正面からぶつければ解決する相手ではない。
そしてメギキュラの現世顕現で重要になるのが、「邪神女呪音」という別ルートだ。
通常、最上位悪魔が現世へ出るならクリフォトの樹によって対応する冥府の門が開くのを待つことになる。
しかしメギキュラは、それとは別に複数の女性魔道士の魂を犠牲へ組み込む方法を準備していた。
アシエの死によって過程が進み、ヴァニカが瀕死になったことでメギキュラは不完全ながら現世へ肉体を現す。
さらにヴァニカとロロペチカまで命を落とせば、完全な顕現へ近づくという恐ろしい仕組みだった。
ここがメギキュラらしいんだよね。
ルチフェロがクリフォトの樹という巨大な門から力ずくで出てこようとするのに対し、メギキュラは呪いを何年も前から仕込み、人間の死そのものを顕現条件へ変えている。
戦いが始まるずっと前から罠が動いていたわけだ。

メギキュラはどうやって倒された?
ヴァニカを追い詰めたノエルの前にメギキュラが現れ、戦況は一気に悪化する。
ロロペチカまで利用され、シャーロットやリル、ガジャたちも巻き込んだ総力戦へ発展した。
ガジャは命を削るほどの攻撃を放ち、アスタも戦場へ到着する。
それでもメギキュラの心臓を破壊するところまでは届かない。
そこで大きな役割を果たすのがノゼル・シルヴァだ。
ノゼルは母アシエの死の真相を知りながら、呪いの影響でそれを妹たちへ語ることができなかった。
結果としてノエルを遠ざけ、自分一人で背負おうとしてしまった。
しかし最後は、そのノゼルとノエルが同じ敵へ向かう。
ノゼルがメギキュラの防御を崩し、ノエルが心臓を破壊することで決着した。
ここは能力相性だけで見ても面白いけれど、物語としてはさらに重要だ。
母を失ったことによって離れてしまった兄妹が、母を奪った原因を前にして初めて同じ方向を向く。
だから僕は、メギキュラ戦を「ノエルの復讐戦」とだけ呼ぶのは少しもったいないと思う。
むしろシルヴァ家を長く縛ってきた呪いへ、ノエルとノゼルが二人で決着をつける戦いなんだよね。
ルチフェロ・ダンテ・メギキュラの違いは?3者の役割を考察
3者を物語上の役割で分けるなら、ルチフェロは「圧倒的支配」、ダンテは「人間の悪意」、メギキュラは「過去を縛る呪い」を象徴する敵だと僕は考えている。
能力だけを簡潔に対応させるなら、ルチフェロ=重力/ダンテの悪魔、ダンテ=肉体+重力/人間、メギキュラ=呪符/ヴァニカの悪魔だ。
でも『ブラッククローバー』で面白いのは、その能力がキャラクターの役割とかなり噛み合っているところなんだ。
ルチフェロは重力によって、文字どおり周囲を平伏させる。
自分こそが上位存在で、人間など取るに足らないという態度と能力が一致しているよね。
ダンテは肉体を何度でも再生させながら、悪意こそ人間の本質だと語る。
どれだけ殴られても自分の価値観を曲げず、他者を傷つけることで自分の考えを証明しようとする。
そしてメギキュラの呪いは、一度受ければ戦闘が終わっても人生へ残る。
アシエの死、ノゼルの沈黙、ノエルの孤独、ロロペチカの苦悩まで、過去の出来事が現在を縛り続ける。
ルチフェロは「今この瞬間を押しつぶす敵」、メギキュラは「過去から現在を縛る敵」とも言えるんじゃないかな。
アスタとノエルの「母」をめぐる構造は対照的
個人的に特に面白いと思うのが、ルチフェロとメギキュラのどちらも主人公側の母親へ関係していることだ。
アスタはリチタと親子として暮らした記憶を持っていない。
その代わり、リチタに育てられたリーベが彼女の思いを知っている。
だからルチフェロ戦では、失われた家族から受け継がれた絆がアスタとリーベを結びつける。
対するノエルは、アシエの死によって家族そのものが歪んでしまった。
ノゼルは妹を守ろうとして遠ざけ、その態度がさらにノエルを苦しめる。
しかしメギキュラとの戦いでは、その兄妹が同じ敵へ挑む。
こちらは壊れていた家族の絆を結び直す戦いなんだ。
アスタ側は「知らなかった家族へつながっていく物語」。
ノエル側は「失われていた家族関係を取り戻していく物語」。
同じ母親に関する因縁でも、方向が逆なんだよね!
この対照構造を意識すると、スペード王国編がアスタだけではなくノエルのルーツにも深く踏み込んだ章だったことがよく分かる。
ダンテVSマグナが真ん中にある意味
そしてルチフェロとメギキュラの間に、人間であるダンテがいることも重要だと僕は思う。
ルチフェロやメギキュラは超常的な悪魔。
しかしダンテは人間だ。
人間でありながら自分の意思で悪意を肯定し、悪魔の力まで利用して「強者」であろうとした。
そんなダンテを倒したのが、魔力量に恵まれた天才ではなくマグナだった。
これは偶然の組み合わせではなく、『ブラッククローバー』が繰り返してきた「生まれ持った条件だけで未来は決まらない」というテーマを強く感じさせる。
ルチフェロにはアスタとリーベ。
メギキュラにはノエルとノゼル。
ダンテにはマグナ。
それぞれの敵に対し、最もその価値観を否定できる人物が最後の壁を越えているんだ。
ルチフェロたちはブラッククローバー全体で何を意味する?
ルチフェロ、ダンテ、メギキュラの戦いはスペード王国編だけで完結せず、「悪魔の力を人間がどう扱うか」という問題を物語の先へつなげたと考えられる。
エルフ編では、ザグレドが人間とエルフの憎悪を利用する構図が中心だった。
人間側もエルフ側も、知らないところで悪魔の思惑へ利用されていたんだ。
しかしスペード王国編では一歩進む。
ダンテたちは悪魔という存在を認識し、その力を自分たちの意思で使う。
つまり問題が「悪魔に騙される人間」から、「悪魔の力を理解したうえで欲しがる人間」へ変わった。
これは作品全体を見るうえでかなり大きな変化だと思う。
悪魔さえ倒せば世界が平和になるのではない。
人間が力を求め続ける限り、その力が別の方法で利用される可能性が残る。
実際、ルチフェロの心臓が戦いの後に回収されたことも、「敵を倒した=危険な力が消滅した」ではないことを強烈に示していた。
僕はここにスペード王国編の本当の怖さがあると感じる。
目の前の悪魔には勝てる。
でも、その悪魔の力を次に誰が、何の目的で使うのかまでは勝利した瞬間には分からない。
バトルの勝敗とは別に、力そのものが物語の中で残り続けるんだ。
だからルチフェロは「最強の敵を倒して終了」という役割ではない。
あれほど圧倒的だった存在さえ、さらに先の物語へつながる一段階だった。
この構造によってスペード王国編の決着には爽快感と同時に、どこか不穏な余韻が残る。
そして僕には、ルチフェロが追い詰められた場面も『ブラッククローバー』らしい象徴に見える。
力の差なら圧倒的に上。
合理的に考えれば、人間側が何度も立ち上がれるはずがない。
それでもアスタたちは諦めない。
ルチフェロが動揺したのは、反魔法という能力だけでなく、自分の常識では説明できないほど立ち上がり続ける人間を前にしたからではないかと僕は考えている。
もちろん、これは作中でそのまま言葉にされた心理ではなく僕なりの読み方だ。
ただ「強い方が上で、弱い方は従うしかない」という価値観を持つ敵ほど、アスタたちの「諦めない」という行動に崩される。
ルチフェロもダンテも、その意味では同じ壁へぶつかったように見えるんだよね。
ルチフェロ、ダンテ、メギキュラの関係を押さえた後に原作を読み返すと、戦闘だけでなく宿主と悪魔の力関係や伏線も追いやすくなるよ。コミックシーモアでは無料会員登録後、月額メニューを必須とせず作品ごとに購入する方法も選べる。配信巻、価格、無料対象、キャンペーンなどは変更される場合があるので、利用する場合は現在表示されている条件を確認してね。⇒ コミックシーモアで現在の配信・購入条件を確認する
ブラッククローバーのルチフェロ・ダンテ・メギキュラまとめ
『ブラッククローバー』のルチフェロ、ダンテ、メギキュラは、同じスペード王国編の敵でも立場と役割が大きく異なる。
ルチフェロはダンテへ重力魔法の力を与える最上位悪魔であり、リチタとリーベの過去に関わることでアスタ側の物語にも深く食い込んだ。
ダンテは漆黒の三極性の一人である人間。
自身の肉体魔法とルチフェロ由来の重力魔法を使い、ヤミとアスタに一度敗れた後、再び戦場へ立ってマグナの魂炎鎖死決闘に敗れている。
メギキュラはヴァニカへ力を与える呪符魔法の悪魔。
アシエやロロペチカへ呪いを与え、「邪神女呪音」によってクリフォトの門とは別経路で顕現を進め、最後はノゼルとノエルの連携によって心臓を破壊された。
そして3者を敵勢力全体から見るなら、漆黒の三極性による襲撃の先にはクリフォトの樹があった。
ヤミの闇魔法とヴァンジャンスの世界樹魔法を利用して冥府を現世へつなぐことで、悪魔の脅威を世界規模へ拡大しようとしていたんだ。
僕がこの一連の戦いで特に面白いと思うのは、敵がそれぞれ違う形で「生まれや過去によって決められたもの」を主人公側へ突きつけてくること。
アスタとリーベにはリチタを失った過去。
ノエルとノゼルにはアシエの死によって壊れた家族関係。
マグナには、生まれ持った魔力量では埋められない格差があった。
それでも彼らは、自分では変えられない過去や才能の差を理由に諦めなかった。
ルチフェロ、ダンテ、メギキュラとの戦いは、強大な悪魔を倒すだけでなく、自分を縛っていた条件へ「それでも先へ進む」と答える戦いだった。
そう考えて読み返すと、スペード王国編のバトルがもっと熱く見えてくるんじゃないかな!
よくある質問
ルチフェロとダンテは同一人物ですか?
違うよ。
ルチフェロは最上位悪魔の一体で、ダンテ・ゾグラティスはその力を宿す人間だ。
ダンテ自身は肉体魔法を持ち、ルチフェロ由来の重力魔法と組み合わせて戦っている。
メギキュラは誰に憑いている悪魔ですか?
メギキュラの力を宿しているのは、漆黒の三極性のヴァニカ・ゾグラティスだ。
ヴァニカ自身は血液魔法を使い、メギキュラの呪符魔法と組み合わせて戦う。
メギキュラはアシエ・シルヴァやロロペチカへ呪いをかけたため、特にノエルと深い因縁を持つ。
なぜヤミとヴァンジャンスが連れ去られたのですか?
クリフォトの樹を発動させ、冥府と現世をつなぐために必要な存在だったからだ。
ヤミの闇魔法とヴァンジャンスの世界樹魔法という特殊な魔法が計画の重要な条件となっていたため、ダンテとゼノンは二人を標的にした。
この事情を知っておくと、黒の暴牛や金色の夜明けへの襲撃が、単なる団同士の戦いではなく世界規模の計画の一部だったことが分かるよ!

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