『傷だらけ聖女より報復をこめて』の結末は、ルーアが神殿とアリアンの陰謀に決着をつけ、スウェンと結ばれて新しい人生へ進む結末です。
ガロット救命の功績を奪われた序盤から、黒薔薇病を巡る大陰謀、神官長との決着、アリアンとの最後の対峙、そして新婚旅行まで、重要展開を時系列で追っていくよ!
※本記事には物語終盤までの重大なネタバレと、プロモーションを含みます。
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『傷だらけ聖女より報復をこめて』原作ネタバレの始まりは?
すべての始まりは、ルーア・レストアットが命懸けで騎士団長ガロット・バンスを救ったのに、その功績を親友アリアン・トレビアーズに奪われたことです。
ここを理解すると、本作の「報復」が恋敵への仕返しだけではないことが分かります。
ルーアは治癒の力を持つ聖女候補。
ところが彼女の治癒は、普通の回復能力とは大きく違います。
患者が負った傷や病の症状をいったん自分の身体へ移し、その苦痛を引き受けることで相手を治す能力なんです。
つまり誰かを救うほどルーア自身が傷つく。
その性質から周囲には「欠陥聖女」と蔑まれながら、それでも彼女は人を治し続けてきました。SORAJIMA – 漫画出版社|株式会社ソラジマ+1
そんなルーアが神殿で数少ない味方だと思っていたのがアリアン。
そしてルーアが想いを寄せていた男性が騎士団長ガロットでした。
ある日、そのガロットが瀕死の状態で運び込まれます。
ルーアは自分の命すら危険になるほど能力を使い、ガロットを救命。
その代償として、生死の境をさまようほど衰弱してしまいます。
ところがルーアが目覚めると、状況は完全にひっくり返っていました。
ガロットを救ったのはアリアンということになり、しかもガロットとアリアンの婚約まで決まっていたのです。 コミックシーモア
さらにアリアンは、表ではルーアを助ける親友を演じながら、裏ではルーアの評価を落とす方向へ動いていました。
信じていた親友に功績を奪われ、好きだった男性からも誤解される。
これはキツいよね……。
でも本当に奪われたものは、恋だけじゃありません。
ルーアが命懸けで積み重ねてきた善意や実績まで、まるごと他人のものにされてしまったんです。
だからこそ本作の復讐は、アリアンを不幸にすることではなく、「ルーアという人間の人生を本人の手に返すこと」から始まります。
ルーアはなぜ復讐する?加虐能力とスウェンとの共闘
アリアンの本性を知ったルーアは治癒だけの人生を捨て、これまで自分が受けた症状を他人へ与える「加虐能力」で報復を始めます。
そのルーアへ共闘を持ちかける人物が、ジード王国の第二王子スウェン・ジード=クロウンです。
絶望したルーアは「もう誰も癒やさない」と心を閉ざします。
ところが彼女には、人々へ隠していたもう一つの能力がありました。
それが加虐能力です。
治癒によって自分が経験した傷、病、苦痛などを、今度は相手へ与えることができる。
つまり治癒と加虐は、まったく別の能力ではありません。
「人から引き受けた痛み」を保存し、別の形で使えるという表裏一体の力なんです。AnimationID
この設定、僕は本作で一番うまい部分の一つだと思っています。
突然「復讐専用の強い魔法」が生えてきたわけじゃない。
ルーアがこれまで誰かを助けるために耐えてきた痛みそのものが、報復する力へ変わる。
だから読者側にも、「その力を持っていたなら使ってもいいだろ!」と思わせる説得力があるんですよね。
そんなルーアへ「一緒に復讐をしないか」と持ちかけるのがスウェンです。
スウェンもまた、第二王子という立場にありながら「忌み子」と蔑まれた過去を持っています。AnimationID
そのため彼は、周囲から貼られた「欠陥聖女」「悪女」といったラベルだけではルーアを判断しません。
ルーアが実際に何を考え、何を選んでいるのかを見る。
ここがガロットとの大きな差なんですよね。
ルーアとスウェンは、神殿の裏側を調べながら報復を進めます。
序盤ではロズ・デドモンドの舞踏会へ潜入し、その悪事を暴こうと行動。
アリアンとガロットも舞踏会へ現れるため、ルーアの私的な因縁とスウェンが追う社会的な問題が早い段階から交差していきます。ABEMA
さらにスウェンには、ルーアと過去に接点があったことも明かされます。
彼のルーアへの想いは、「復讐を始めた美しい女性に突然惚れた」という単純なものではありません。
幼い頃から心の中に残っていた人物だからこそ、スウェンは序盤からルーアへ強い関心を向けていたわけです。
この過去を知ると、スウェンがなぜあれほどルーアを理解しようとするのか、一気に納得できるんだよね!
生誕祭から何が変わる?ガロットの婚約破棄と家族の謎
生誕祭前後から、物語は「ルーア対アリアン」の個人的な復讐から、レストアット家の死と神殿の陰謀を追う物語へ広がっていきます。
同時に、アリアンを信じていたガロットの立場も崩れ始めます。
ルーアは過去にレストアット家と関係のあったルイズ・リストンと再会。
そこから、自分の家族が亡くなった出来事について、それまで知らなかった情報へ近づいていきます。
ルーアにとって神殿は、それまでは「現在の自分を苦しめている場所」でした。
しかし調査が進むほど、現在だけではなく家族を失った過去にまで神殿側の人物や研究がつながっている可能性が見えてくるんです。
そして重要な舞台になるのが王国の祭典・生誕祭。
ルーアは「薔薇姫」に選ばれ、アリアンと再び公の場で向き合います。
ここで大事なのは、ルーア自身が表舞台へ戻ってくること。
序盤ではどれだけ頑張っても、ルーアの功績はアリアンに奪われていました。
ところが生誕祭では、ルーア自身の振る舞いを王族や貴族たちが直接目にします。
僕はここを、復讐劇のかなり大きな転換点だと思っています。
アリアンが恐れるのは、ルーアに攻撃されることだけではありません。
「アリアンの説明を通さず、周囲が直接ルーアを見ること」そのものが脅威になっていくんです。
だってルーアが普通に人と関わり、正当に評価されればされるほど、「悪いのは本当にルーアだったのか?」という疑問が生まれるからね。

そしてガロットにも決定的な変化が訪れます。
彼はアリアンの本性へ疑いを深め、ついには婚約破棄を選択。
アリアンからトレビアーズ家による報復を示唆されても、地位や家を失うことになってもアリアンとは結婚しない意思を示します。
実際にガロットはその後、実家から勘当され、騎士団長の地位からも退くことになります。
さらに、瀕死だった自分を本当に治療したのはアリアンではなくルーアだったという真実にもたどり着き、ルーアへこれまでの態度を謝罪します。マンガニスタ
ここ、単純な「ざまぁ」で終わらないのが面白い。
真相を知ったからといって、ガロットとルーアが元の関係へ戻るわけではありません。
ガロットが失ったものは、アリアンに騙された結果だけではない。
ルーア本人へ確かめず、他人から聞いた情報で彼女を判断した自分自身の選択の結果でもあるんです。
ガロットが謝れば全部リセット、とはならない。
この苦さがあるからこそ、スウェンとルーアの関係との差もより鮮明になります。
生誕祭、ガロットの婚約破棄、アリアンの本性が崩れていく過程は、表情や縦スクロールの演出まで見ると印象がかなり変わります。
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黒薔薇病の陰謀とは?ロウゼンと神官長の計画を時系列で解説
ルーアたちがたどり着く大事件の核心は、黒い薔薇を媒介に疫病「黒薔薇病」を広め、治癒を利用して民衆を支配しようとする計画です。
ここまで来ると、本作は完全に「親友への復讐」という枠を飛び越えます。
調査の途中で登場するのが、薬屋の青年リィン=パーティス。
彼は危険な研究を行うロウゼン=シュラウドの元弟子で、師の研究を止めようと行動していました。
さらに行方が分からなくなっていたシジーも、リィンによって匿われていたことが判明します。
ところがシジーは、ロウゼンが魔獣の毒を組み合わせて作った強力な毒に侵されていました。
普通の治癒では対処できない。
そこでルーアが利用するのが、皮肉にもこれまで復讐へ使ってきた加虐能力です。
ルーアは過去に自分が受けた魔獣の毒を利用し、別の毒をぶつけることでシジーを救う方法へたどり着きます。マンガニスタ
ここ、めちゃくちゃ重要です。
「加虐能力=人を苦しめる悪い力」ではないことが決定的になる場面だから。
使い方によって、加虐能力も誰かを救える。
逆に治癒能力であっても、権力者が独占すれば人々を支配する道具になり得る。
能力そのものに善悪があるのではなく、誰が何のために使うのかが問題だという作品の軸がはっきりしてくるんですよね。
そして神官長とロウゼン側の計画として浮かび上がるのが黒薔薇病です。
黒い薔薇を使って疫病を広げ、その病を特定の聖女が治す。
人々を意図的に危機へ追い込み、「この聖女だけが救える」という状況を作れば、聖女と神殿への支持を一気に高められる。
要するに、病気と救済をセットで作り出すことで民衆の信仰と支持を操作する計画だったわけです。マンガニスタ
アリアンもこの流れと無関係ではありません。
彼女は自分の血液を研究材料として提供し、その研究成果を利用する計画へ関わっていきます。
第68話前後では、アリアンの血液を使った研究によって、自分へ逆らえない状況を作ろうとする構想まで見えてきます。マンガニスタ
ここでアリアンというキャラクターの欲望も変化しているんですよ。
序盤では「ガロットが欲しい」「ルーアより上に立ちたい」という個人的な欲望が中心でした。
ところが失うものが増えるほど、今度は他人から好かれることではなく、他人が自分へ逆らえない状態そのものを欲し始める。
僕はここに、アリアンの怖さが一番出ていると思っています。
愛されたい人から、支配したい人へ変わっていく。
逆にルーアは、復讐者になったあと少しずつ人を信じ、自分の力を守るためにも使えるようになっていく。
二人は物語が進むほど、完全に逆方向へ進んでいくんです。
第109~131話の結末は?神官長・アリアンたちの末路を具体的に整理
終盤では黒薔薇病を利用した神殿側の計画が破綻し、神官長、トレビアーズ伯爵家、そしてアリアンが順番にそれまで築いた立場を失っていきます。
ここが「結局、最後はどうなるの?」を知りたい人にとって一番重要なところだよね。
終盤の流れは、話数タイトルだけを見るより、因果関係で追ったほうが分かりやすいです。
- 第109話「民の審判」:人々を利用してきた側が、今度は民衆の判断を受ける段階へ入る
- 第111~113話:神官長の過去が掘り下げられ、ルーアが「受けた痛み」を返し、長年の因縁を清算していく
- 第114~120話:トレビアーズ伯爵家の崩壊、黒薔薇病の所在、アリアン自身の人物像を経て最終決戦へ
- 第121~123話:アリアンの内面と秘密が明らかになり、ルーアとの個人的な因縁が終わる
- 第127~131話:報復後の変化と、大罪人となった側の末路が整理される
- 第132話以降:ルーアは亡くなった家族と過去へ区切りをつけ、自分の未来を選び始める
第109話「民の審判」では、神殿が掲げてきた「人々を救う存在」という建前そのものがひっくり返っていきます。
黒薔薇病を利用し、人々の不安と信仰心を操作しようとした側が、今度はその人々によって評価される立場になる。
これがタイトルの「民の審判」につながっているわけです。Jumptoon+1
続く第111話は「神官長の追想」。
ここでは単に悪事を暴いて終わるのではなく、神官長という人物がどういう考え方を積み重ねて現在へ至ったのかにも踏み込みます。
そして第112話のタイトルは「同等の痛みで返すわ」。
これ、作品タイトルの「報復」をそのまま象徴するような一話ですよね。
ルーアは、ただ怒り任せに必要以上の苦しみを与えるのではありません。
受けたものを、その重さに見合う形で返す。
第113話「敵討ち」へ進むことで、現在のルーアだけではなく、家族を含めて過去に奪われたものへ決着をつける段階へ入ります。Jumptoon
そして第115話は「トレビアーズ伯爵家の崩壊」。
これまでアリアンを守っていた家の権威まで崩れていきます。紀伊國屋書店
序盤のアリアンは強かった。
なぜなら、嘘がうまかっただけじゃないからです。
聖女候補という立場。
伯爵家の後ろ盾。
ガロットとの婚約。
神官長とのつながり。
周囲から「善良な女性」と思われている評判。
これら全部が盾になっていました。
終盤は、その盾が一枚ずつ剥がれていく構成なんですよ。
第116話「黒薔薇病の在処」、第117話「悪魔と女神」、第118話「アリアン=トレビアーズという女」と続き、アリアン本人へ焦点が絞られます。電子書籍ストア | BOOK☆WALKER
そして第119話「最終決戦」、第120話「舞台の幕引きは」。
ここで黒薔薇病を巡る大きな戦いと、アリアンを中心とした「偽りの聖女」の物語がクライマックスを迎えます。コミックシーモア
第121話「可哀相で惨めな」、第122話「アリアンの秘密」、第123話「因縁の終わり」では、さらにアリアン個人の内側へ踏み込みます。
ここでポイントなのは、アリアンの秘密が明かされたからといって、「事情があったから全部許される」という話にはならないことです。
彼女が抱えていたものと、彼女自身がルーアへしたことは別。
背景を知ることと免罪することを分けて描いているのが、この終盤の面白さなんですよね。
そしてルーアはアリアンとの因縁を終わらせます。
アリアンが序盤で手に入れたガロットとの婚約はすでに破綻。
トレビアーズ伯爵家も崩壊し、神官長側の計画も明るみに出たことで、アリアンが依存していた権力・家柄・評判という土台は失われていきます。
さらに第130話は「大罪人」、第131話は「アリアンたちの末路」。
つまり終盤では、アリアンだけを一対一の復讐で倒して終わるのではなく、彼女たちが関わった事件そのものの責任が社会の側から清算されるところまで描かれています。Jumptoon+1
ここは誤解しやすいところなので重要です。
「アリアンが最後にルーアへ一回負けて終わり」という作品ではありません。
婚約を失う。
伯爵家という後ろ盾を失う。
神官長側の企みが破綻する。
自分が積み上げた虚像が崩れる。
そしてルーアとの因縁そのものにも終止符が打たれる。
序盤でルーアから奪った「愛情・評価・立場」が、終盤では逆にアリアンの手から離れていく構成になっているんです。
ただし、ここで重要なのは、確認できない処刑方法や死亡描写などを勝手に付け足さないこと。
第130~131話では「大罪人」「アリアンたちの末路」として罪の帰結が描かれますが、単純に「死亡したから報復完了」とまとめる作品ではありません。
ルーアにとって本当の決着は、アリアンの人生を壊すことより、アリアンを中心に回っていた自分の人生から離れることにあります。

『傷だらけ聖女より報復をこめて』最終回は?ルーアとスウェンは結婚する?
結論から言うと、ルーアとスウェンは結ばれます。本編で報復と過去へ決着をつけた後、外伝では二人の新婚旅行まで描かれます。
ここまで読んできた人が一番安心したいところだよね!
終盤には、第127~129話「報復の後」が用意されています。
これがかなり重要。
普通の復讐ものなら、敵が破滅した瞬間に「めでたし、めでたし」で終わってもおかしくありません。
でも本作では、その後に時間を使います。
復讐を終えたルーアは、これから何のために生きるのか。
ずっと「誰かに傷つけられたから行動する」人生だった彼女が、初めて「自分はどうしたいのか」を考える段階へ進むんです。
第132話「お墓参り」では、家族を巡って抱えてきた過去と向き合います。
第133話「聖女へ」。
第134話「君に一番届く言葉」。
第135話「この先もずっと……」。
そして第136話・第137話「未来の話」へ。
話数の並びだけでも、復讐から未来へ物語の重心が完全に移っていることが分かります。Jumptoon
本編の大きな節目となるのが第138話「傷だらけ聖女より」。
その後、第139話と第140話は「新婚旅行編」、第141話から第143話は「聖女様の伝記編」へ続きます。
全143話という構成も確認できます。Jumptoon+1
つまり、スウェンとルーアは単に「付き合いそう」で終わるわけではありません。
新婚旅行が描かれるところまで二人の関係は進みます。
序盤を思い返すと、この着地はかなり感慨深い。
ルーアが最初に好きだったガロットとの恋が復活するのではないんです。
ガロットは真実を知って謝罪し、自分自身の誤りと向き合う。
でもルーアが人生を共にする相手として選ぶのはスウェン。
この違いは大きいですよね。
ガロットは、ルーアが「欠陥聖女」と呼ばれていた時に周囲の言葉を信じました。
スウェンは、彼女が「悪女」と名乗った後も本人を見続けました。
本作の恋愛面で問われているのは、「一番最初に好きになった人は誰か」より、最悪の時の自分を見ても、その人自身を理解しようとしてくれたのは誰かなのだと思います。
そしてさらに面白いのが、外伝最後の「聖女様の伝記編」。
第1話のルーアは「欠陥聖女」です。
最後に近づくと「聖女へ」。
さらにその後は「聖女様の伝記」。
この呼ばれ方の変化がすごく綺麗なんですよ。
最初は他人から「欠陥」と決めつけられていた女性が、最後には自分が選んだ行動によって「聖女」として語られる。
つまりルーアは名誉を取り戻しただけではありません。
自分の物語を、他人につけられた評価から取り戻したわけです。
これが本作の本当のハッピーエンドなんじゃないかな。
アニメSeason2は原作のどこを描く?2026年10月から放送
アニメ『傷だらけ聖女より報復をこめて Season2』は2026年10月1日から放送開始予定で、生誕祭とルーアの家族の死につながる謎が中心となります。
原作の結末記事なので、ここは必要な範囲だけ整理します。
2026年9月10日時点では、tvkで2026年10月1日から毎週木曜24時00分、CBCテレビでは10月2日から毎週金曜26時59分の放送予定です。
放送日時は変更される可能性があります。AnimationID
Season2では薔薇姫となったルーアが生誕祭で再びアリアンと対峙し、さらに自分自身の過去、家族の死へつながる謎を追う展開が示されています。WEBザテレビジョン
キャストはルーア役が瀬戸麻沙美さん、スウェン役が斉藤壮馬さん、アリアン役が麻倉ももさん、ガロット役が浦和希さん。
追加キャラクターではルイズ・リストン役を土田玲央さん、ネルネ=サンドラ役を芹澤優さんが担当します。アニメイトタイムズ
ここは旧稿で表記揺れが起きやすいポイントですが、ルイズ役は「土田玲央」です。
Season2が原作終盤のどこまで映像化するかは、放送前の段階では断定できません。
ただし生誕祭と家族の死の謎が中心になる以上、Season1よりも「なぜルーアの人生がここまで壊されたのか」という根本部分へ踏み込むシーズンになりそうです。
ジョウスターの考察!アリアンの秘密と神殿の陰謀が示す本当のテーマとは?
僕が『傷だらけ聖女より報復をこめて』を面白いと思う最大の理由は、「良い能力」と「悪い能力」をわざと逆転させていることです。
普通に考えれば、治癒は善。
加虐は悪。
ですよね。
でも本作では、そんなに単純じゃありません。
神殿は「治癒」を掲げながら、黒薔薇病を利用して人々の不安をコントロールしようとします。
一方、ルーアの「加虐能力」は、シジーを救うためにも応用されます。
善悪を決めるのは能力の名前ではない。
その力を他人の選択肢を奪うために使うのか、それとも守るために使うのか。
ここに本作の制度批判としての面白さがあると思うんですよ。
神殿が怖いのは、「悪人が偉い立場にいた」からだけじゃない。
人を救える力を神殿が独占しているからこそ、治癒そのものが権力になります。
病気になった人にとって、治してくれる相手へ逆らうことは難しい。
そこで権力者が「病気になる状況」まで作れたら?
救済する側が、危機を作る側にもなってしまいます。
黒薔薇病の計画は、この危険性をかなり分かりやすい形にしたものだと僕は考えています。
そしてアリアンも、実は同じ構造です。
序盤のアリアンはルーアに優しくします。
でもその優しさは、ルーアを自分へ依存させる方向へ働いていました。
周囲から嫌われているルーアに対して「私だけはあなたの味方」という立場を取れば、ルーアはアリアンを疑いにくくなる。
神殿が「私たちだけがあなたを救える」と民衆へ思わせる構造と、かなり似ているんですよね。
アリアン個人の人間関係と、神殿という巨大な制度が、同じ「救うふりをして支配する」という構造を持っている。
これ、かなり面白くない?
だから終盤でアリアンの秘密や神官長の過去が掘り下げられるのは、単なる悪役紹介ではないと思っています。
「なぜこの人たちはこうなったのか」を理解したうえで、それでも他人を傷つけた責任はなくならない。
本作はそこを分けているんです。
アリアンにも事情はある。
神官長にも過去はある。
ガロットも騙されていた。
でも「事情があった=被害者へ何をしても無罪」にはならない。
この線引きが意外とシビアです。
特にガロットの扱いが分かりやすい。
彼はアリアンほど意図的な加害者ではありません。
真実を知らなかった側でもあります。
それでも、ルーア本人へ確認せずに彼女を判断した。
だから婚約破棄して謝罪したあとも、「じゃあルーアと恋人に戻ります」とはならないんです。
これは恋愛作品としてかなり重要だと思っています。
謝罪は過去への責任。
復縁は未来の選択。
この二つは別なんですよね。
そしてルーアも同じです。
彼女がアリアンへ報復することと、スウェンと幸せになることは別の話。
だから作品は第123話「因縁の終わり」の後も続きます。
さらに「報復の後」を3話使い、墓参り、聖女、未来、新婚旅行へ進む。
この構成こそ、作者が「復讐成功=人生終了」と考えていない証拠じゃないかな。
僕が今回改めて注目したいのは、ルーアとアリアンは「他人から認められたい」という部分では、実は完全な正反対ではないということです。
序盤のルーアも、自分の価値を周囲の評価に預けています。
欠陥聖女と言われれば傷つく。
ガロットに嫌われれば絶望する。
アリアンだけが味方なら、その関係へすがってしまう。
一方のアリアンは、もっと極端です。
愛されるため、評価されるため、優位に立つためなら嘘も利用する。
そして思い通りにならなくなると、相手から自由な判断そのものを奪う方向へ進んでいく。
二人の最終的な差は「傷つかなかったか」ではありません。
自分の価値を他人へ決めてもらう生き方から抜け出せたかどうか。
ルーアは抜け出した。
アリアンは最後まで他人の評価を支配しようとした。
だからルーアの勝利は、アリアンより上の地位に立つことではなく、「もうアリアンに自分の価値を決めさせない」ところにあるんです。
そして最後の「聖女様の伝記」まで考えると、さらに面白い。
ルーアは最終的に人々から評価されます。
でもそれは序盤とは順番が逆。
序盤は「評価されたいから人を癒す」。
終盤は「自分が正しいと思った行動を選んだ結果として評価される」。
他人の評価を求めた結果の聖女ではなく、自分で選んだ結果として聖女になる。
僕はこの違いこそ、本作を普通の「裏切られ令嬢ざまぁ」で終わらせない最大のポイントだと思います。
まとめ|原作ネタバレの結末はアリアンへの復讐とルーアの再出発
『傷だらけ聖女より報復をこめて』は、ガロットを救った功績をアリアンに奪われたルーアが、第二王子スウェンと手を組んで報復を始める物語です。
しかし物語はやがて、ガロットとの誤解、レストアット家の死、ロウゼンの研究、黒薔薇病、神官長の計画、トレビアーズ伯爵家の崩壊へつながっていきます。
終盤では第109話「民の審判」から神官長側の罪が清算され、第112話「同等の痛みで返すわ」、第113話「敵討ち」を経て、第119話「最終決戦」へ。
その後、第122話「アリアンの秘密」、第123話「因縁の終わり」で、ルーアとアリアンの長い因縁にも決着がつきます。
さらに第130話「大罪人」、第131話「アリアンたちの末路」まで描かれるため、敵を倒した瞬間ではなく、彼らが築いてきた権力や虚像が崩れ、その責任が返ってくるところまでが報復劇なんですよね。
そしてルーアは過去だけを見て生き続けません。
第138話「傷だらけ聖女より」で本編の大きな節目を迎え、その後は新婚旅行編へ。
ルーアとスウェンは結ばれ、さらに「聖女様の伝記編」では、かつて欠陥聖女と蔑まれたルーアの生き方が後世へ残っていくところまで描かれます。Jumptoon+1
最初は「誰かを治すために自分が傷つく」しかできなかったルーア。
最後には、自分で未来を選び、自分が幸せになることまで受け入れられるようになる。
僕はそこまで含めて初めて、『傷だらけ聖女より報復をこめて』というタイトルの「報復」が完成するんじゃないかなと思います。
アリアンを負かしたことより、アリアンに奪われた人生の続きを、ルーア自身が書き始めたこと。
それがこの物語の一番気持ちいい結末だよね!
結末だけでなく、最終決戦から「報復の後」、ルーアとスウェンの新婚旅行まで続けて読みたい場合は、対象話と現在の料金・配信状況を確認してから読むと追いやすいです。
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よくある質問
『傷だらけ聖女より報復をこめて』でガロットを救ったのは誰?
ガロットを本当に救ったのはルーアです。
ルーアは瀕死だったガロットの傷を自分へ移して治療し、その代償として生死の境をさまようほど衰弱します。
しかし意識を失っている間にアリアンが功績を奪い、ガロットは長く真相を知らないままでした。
後に真実を知ったガロットはアリアンとの婚約を破棄し、ルーアにも謝罪します。
アリアンは最後にどうなる?
アリアンはガロットとの婚約、周囲からの信用、トレビアーズ伯爵家という後ろ盾など、序盤で手にしていたものを次々と失っていきます。
第115話「トレビアーズ伯爵家の崩壊」、第122話「アリアンの秘密」、第123話「因縁の終わり」を経て、第130話「大罪人」、第131話「アリアンたちの末路」まで罪の帰結が描かれます。紀伊國屋書店+1
単に一度ルーアへ負けて終わるのではなく、嘘と権力で築いた立場そのものが崩れていくのがアリアンの結末です。
ルーアとスウェンは最後に結婚する?
はい。二人は最終的に結ばれ、その後の新婚旅行まで描かれています。
第138話で本編が大きな区切りを迎えたあと、第139話・第140話は新婚旅行編。
さらに第141話から第143話までは「聖女様の伝記編」へ続きます。Jumptoon+1
報復のパートナーとして始まった関係が、最後には人生を共に歩く関係になるわけです。

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